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疲れた時に思い出す風の色ー映画「ポカホンタス」感想

歌唱王2016で優勝した歌唱王がポカホンタスのカラーオブザウィンドを歌っていました。

その際にとても感動して、泣いてしまったことで思い出して久しぶりに観ました。


小さいときは何度も観て聞いた歌でも大人になって聞くとあれだけ感動するものなんですね。
歌詞の意味や郷愁が理解できてしまえるからなのでしょうか...とても素敵でございました。

 

さて、改めてポカホンタスという映画を観て20年以上ぶりくらいでしょうか...

案外シーンのところどころ台詞の言い回し覚えているものですね。


どの歌も何度もききたくなるほどよい歌でした。

なにより色彩がとても美しい。


この作品では風が物語のキーワードとなっているようですね。

シーンによって風の色がすべて異なっているのが実に素晴らしかったです。


全体的に赤色の印象が強い映画でしたが、すべての赤の意味が違うのですね。


前触れの夕日の赤。

怒りに満ちた赤。

夜明け前の戦の赤。

そして恋い焦がれる赤です。
この色彩美は実に見事でした。


そしてもうひとつ、歌を効果的に用いるためのレイアウトと演習がさすがだなと。

全盛期の宮崎駿さんもレイアウトに関してはとてつもなく美しいですが、それに負けず劣らない美しさです。さすがディズニー。


しかし。

今回観て気づいたのですがこの映画をディズニーにしては珍しくハッピーエンドではないのですね。

しかも原作が童話や寝物語ではなく実話というとても面白い背景のあるお話でした。


ポカホンタスもジョンスミスも実在する方なんですね。

調べたら肖像画まで残っていて驚きましたよ。


ヴァージニア開拓の物語なんですからあながちそんなこともなくはないだろうと思っていたら、まさか本当にあった話だとは。

どうやらこのポカホンタスには続編があるようですが、不評のようですね。

 

そりゃそうですよね。

事実に即したら、ポカホンタスはジョンスミスに会いにイギリスへ向かい妻になる。

この話で観た自然の美しさや強さはすべて消え去っていることでしょう。
現実とは常に幻想と隣同士では存在できないのですよ。

 

それにしてもポカホンタスの黒髪のたなびく滑らかさたるや。

髪ばかりみてしまうほど魅了されましたよ。


ジョンスミスの捕まった際のセリフも

『明日死んだっていい。100年先も君と会えないのなら』と、アイーダ並みにアツい。歯が浮きます。


小さい頃観たときこんなにラブストーリーだった記憶がありませんが。


とりあえずこの先しばらくはポカホンタスの劇中歌が頭から離れないことでしょう。

 

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インディアンであるポカホンタスがジョンに嫁いだ時の肖像画です。