映画ゴト。私ゴト。

映画人だからこその独りゴト。

怪盗キッドはタキシード仮面じゃないのかー映画「名探偵コナン紺青の拳」感想

f:id:momusplay:20190424111129j:plain

 

名探偵コナン劇場版映画の23作目ですね。

なんだかんだとコナンは毎年観にいってしまうのですが、今年は怪盗キッドと京極さんがメインのお話ですね。

 

どうやら公開から10日で興行収入35億円を超えたということで、勢いが止まりませんね。

前作の「名探偵コナンゼロの執行人」は安室を100億の男にするというキャッチフレーズの元製作陣が力を入れていたそうですが、今回はそんな土台がありつつ早々に100億を超えてしまいそうな勢いがありますね。

 

ここで記録のために過去作品のおさらいを。

 

・1作目「名探偵コナン 時計仕掛けの摩天楼」(1997)

・2作目「名探偵コナン 14番目の標的」(1998)

・3作目「名探偵コナン 世紀末の魔術師」(1999)

・4作目「名探偵コナン 瞳の中の暗殺者」(2000)

・5作目「名探偵コナン 天国へのカウントダウン」(2001)

・6作目「名探偵コナン ベイカー街の亡霊」(2002)←私は一番これが好き

・7作目「名探偵コナン 迷宮の十字路」(2003)

・8作目「名探偵コナン 銀翼の奇術師」(2004)

・9作目「名探偵コナン 水平線上の陰謀」(2005)

・10作目「名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌」(2006)

・11作目「名探偵コナン 紺碧の棺」(2007)

・12作目「名探偵コナン 戦慄の楽譜」(2008)

・13作目「名探偵コナン 漆黒の追跡者」(2009)

・14作目「名探偵コナン 天空の難破船」(2010)

・15作目「名探偵コナン 沈黙の15分」(2011)

・16作目「名探偵コナン 11人目のストライカー」(2012)

・17作目「名探偵コナン 絶海の探偵」(2013)

・18作目「名探偵コナン 異次元の狙撃手」(2014)

・19作目「名探偵コナン 業火の向日葵」(2015)

・20作目「名探偵コナン 純黒の悪夢」(2016)

・21作目「名探偵コナン から紅の恋文」(2017)

・22作目「名探偵コナン ゼロの執行人」(2018)

 

よくここまで続いてますね。

 

コナンが始まったのも私が小さいときなので、半ばコナンと共に大きくなったような気がします。

定期的にコナン熱が出てくるのでたまに観ていましたが今は映画しか見ないのでほとんど分かりません。

 

そして今回の映画の舞台はシンガポールです。

f:id:momusplay:20190424111157j:plain

 

海外です。ついに。

なんだか少し不安があります。

コナン映画は、テレビとは違い映画のスポンサーが違うので映画の際は惜しげも無く爆破シーンが満載です。

しかし、シンガポールを爆破し放題だとそれはそれでシンガポール側は怒らない?と思わなくもないですよね。

 

そんなわけで、コナンはパスポートを持っていない(新一の姿の写真のため)ので、コナンは今回シンガポールにいけない問題が出てくるわけです。

 

そこで怪盗キッドの登場です。

f:id:momusplay:20190424111206j:plain

ちゃっかりコナンを入国させて、コナンもそっくりさんとして出番がありました。

その名もアーサー平井。

 

江戸川乱歩の本名が平井太郎というからだそうです。

やるなコナン。

 

今回は怪盗キッドとキッドの天敵である京極さんのメインのお話です。

加えて、映画の前にドラマとしてやっていたコナンの修学旅行編でついに蘭と新一がカップルになったこともあり、京極と園子の仲睦まじい様子も描かれてロマンス編の映画となっておりました。

 

どうやら蘭と新一が付き合ったことにより、ファンの7割が女性になったとか。

コナンはいろんな戦略で長寿アニメの座を獲得していっているのですね。本当にすごい。

 

 

全体的に映画の感想は、アニメの延長感が強く私はあまりハマりませんでした。

というか、癖で劇場版コナンを毎年見ているだけで力強いファンではないので、怪盗キッドが活躍していようが安室さんが活躍していようがどっちでもいいんです。

 

ただ、ツッコミどころ満載のコナン映画をみて安心がしたいだけなんで。

 

しかし、劇場内にいた女性たちはみんな口を揃えて怪盗キッドがかっこよかったと行っていましたね。

 

カッコいいのか…

 

ふと思ったんですが、怪盗キッドが好きな女子はきっとセーラームーンのタキシード仮面への憧れが強かった人ではないかと思うんですよね。

タキシード仮面も間違いなくかっこいいですもん。

f:id:momusplay:20190424111217j:plain

f:id:momusplay:20190424111230j:plain

 

タキシード仮面は正体を隠すために変なメガネをしていましたが、タキシードにシルクハットなんて女子がトキめかないわけがない。

 

しかもどっちも空飛ぶし。

 

 

 

今回は新一の見せ場はそれほどありませんでしたが、京極さんのストリートファイター感やキャラクターたちのロマンス要素は今までになく楽しめると思います。ファンであれば。

 

そして来年のコナンは赤井さんが主役ですかね?

赤井さんも私はよくわからないのですが、この映画も女子受けしそうな予感がしますね。

 

 

無知を思い知らせれるー映画「グリーンブック」感想

f:id:momusplay:20190424102948j:plain

アカデミー賞取ったようですね

ずっと気になっていた映画をやっと観れました。

知らない間にアカデミー賞も受賞していて観る前から少しウキウキです。

 

まず「グリーンブック」とは何かについて映画を観る前に知っておいたほうがいいですね。

グリーンブックとは黒人旅行者のためのガイドブック本のことです。

なぜグリーンなのかといえは、グリーンさんと言う方が書いたからですね。

f:id:momusplay:20190424104919j:plain

 

グリーンさんが書いた黒人旅行者のためのガイドブック、それをグリーンブックとよんだそうです。

この本には黒人の方でも泊まれるホテルやレストランなどが書かれているようですね。アメリカの人種隔離背作時代のものです。

 

 

正直、私はアメリカにほとんど興味がない上にアメリカ映画をほどんど観ることがありませんでした。もちろん有名なのは観るのですが。

なのでこういったアメリカの文化や歴史を内包した映画を観た時の衝撃はいつも新鮮で己の無知を自覚します。

興味がない、ではいけない問題が世界にはたくさんあるのだと。

 

この映画は白人ドライバーが上流階級の黒人とお互いに理解し合う話ですね。

 

私はこの映画を観るまで、グリーンブックの存在も知らなければ黒人差別と言う単語の本当の意味を理解していなかったように思います。

アメリカの北部よりも南部の方が差別が厳しいと言うことも、当たり前の中にある違和感にも気づきことはなかったでしょう。

 

f:id:momusplay:20190424102955j:plain

 

映画の中では、白人と黒人と言う区別の他に、労働者階級と富裕者との区別も描かれています。それがこの映画の脚本のうまいところですね。

 

事実だけを淡々と物語にしたのでは決して描けない苦悩も描かれているのです。

言葉で語るよりも映像で見せたほうが説得力が出るのが映画のいいところでもあります。

 

そういった見せ方がこの映画はとても上手い。

黒人差別に切り込んだ映画だからこその受賞ではなく、人間を描くと言う点での脚本力が秀逸なのです。

 

そしてこれは、当時だからこその話ではなく今尚あるであろうと言うことが問題ですね。

私が映画というスクリーンを通して観ていても、私だって一歩海外に行けばアジア人として差別されるべき対象なのです。人ごとではありません。

 

 

f:id:momusplay:20190424103003j:plain

この白人ドライバーもイタリアからの移民でしょうか。

どうやら映画には本物の家族が出ていたそうですが、イタリアも北と南でだいぶ人の性質が変わるそうですね。

南北、東西の違いは日本でもあるように世界中であるものなのかもしれませんね。

 

ですが、このイタリア家族の「何事も全力」の精神は本当に素晴らしいなと思いました。「笑うときも食べるときも怒るときも、全力でやる」

これはなかなか日本人には真似するのは難しいかもしれませんが、そうあればいいなと思わなくもないです。

 

 

 

f:id:momusplay:20190424103031j:plain

 

この映画の一番ホッとするシーンはやはり一番最後なのです。

この二人の友情がこの先も続いていくというのなら、どんなことも不可能はないのだと思ってしまいますね。

 

 

壮大なスケールと大沢たかおの存在感勝ちー映画「キングダム」感想

f:id:momusplay:20190424095626j:plain

迫力があっていいポスター

 

映画の「キングダム」観てきました。

シンプルに面白かったです。漫画は全く読んだことがなかったのですが、漫画が人気なのは知っていました。

ですがここまでの迫力と手間暇かかった映画なのかと驚きを隠せませんでした。

 

お話としては、中国の春秋戦国時代。紀元前のお話です。

歴史の教科書でも習った秦の始皇帝の成り立ちの話ではないかと思っています。

違うのかな?あまり中国の歴史に詳しくはないので下手なことを言うのはやめましょうか…

 

一度奴隷になってしまうと奴隷はどんなに頑張っても、その息子も孫も奴隷のままだという通説を、将軍になることで運命を変えられると言う信念の話ですね。

主人公の信(山崎賢人)は奴隷から天下の大将軍になるために、共にいる弟(本郷奏多)に王座を奪われた王(吉沢亮)は王座奪還のために、道案内の天(橋本環奈)はお金のために。

 

それぞれの目的は違えど、目指す先は同じであるために山の王(長澤まさみ)の協力を得て王座奪還を目指します。

 

個人的に面白かった点は、たった50人で8万の兵に挑むところですね。

この戦い方がとても中国の戦国時代っぽくて好きでした。

 

 

 

この映画は、東映スタジオでセットを組んで撮影していたのを覚えています。

その時ちょうど隣のスタジオで「銀魂2」の撮影をしていて、東映が大作2つも掛け持っている印象がありました。

 

この「銀魂2」と「キングダム」は制作会社が同じなので、スタッフや役者も「銀魂2」とかぶるところが多いですね。

ただ、公開時期が全然違うのでそれに気づく人は少ないと思いますが…

 

そして、この映画はⅠヶ月程中国ロケを行なっています。

美術スタッフは、役者が持つ道具のほとんどを日本で作って持って行っていたので、おの規模と数の管理は本当に大変だったと思います。

ましてや飛行機に乗せるための梱包だけで一苦労ではないかと思いますよ…

 

加えて、今回の話の内容的に紀元前の中国です。

原作本があるとはいえ、衣装や小道具や細かい装飾の資料があまりにもなさそうでここも美術部の大変な点だったと思います。

 

そして、規模的にも騎馬を50〜60近い数を揃えたのではないかと思います。

カメラの撮影の仕方もあると思いますが圧巻です。

 

一番の見どころは大沢たかお

私は原作を知らないので彼が本来どんな役をやっているか知りませんが、実写と言う特性を一番理解した上で再現されていたのではないかと思います。

 

もう後ろ姿から、喋り方、笑い方まで気になってしょうがないのに違和感がまるでないのは本当にすごいです。

 

 

久しぶりに映画館で映画を見ましたが、ここまで美男美女を揃えた上に迫力があるのは映画の醍醐味がCGだけでないことをいやと言う程感じた映画でもありますね。

 

 

こういう映画が増えてくれればいいなと思います。

スタッフは残酷なほど大変だったでしょうが、続編はきっとあるのでしょうね。

 

疲れた時に思い出す風の色ー映画「ポカホンタス」感想

歌唱王2016で優勝した歌唱王がポカホンタスのカラーオブザウィンドを歌っていました。

その際にとても感動して、泣いてしまったことで思い出して久しぶりに観ました。


小さいときは何度も観て聞いた歌でも大人になって聞くとあれだけ感動するものなんですね。
歌詞の意味や郷愁が理解できてしまえるからなのでしょうか...とても素敵でございました。

 

さて、改めてポカホンタスという映画を観て20年以上ぶりくらいでしょうか...

案外シーンのところどころ台詞の言い回し覚えているものですね。


どの歌も何度もききたくなるほどよい歌でした。

なにより色彩がとても美しい。


この作品では風が物語のキーワードとなっているようですね。

シーンによって風の色がすべて異なっているのが実に素晴らしかったです。


全体的に赤色の印象が強い映画でしたが、すべての赤の意味が違うのですね。


前触れの夕日の赤。

怒りに満ちた赤。

夜明け前の戦の赤。

そして恋い焦がれる赤です。
この色彩美は実に見事でした。


そしてもうひとつ、歌を効果的に用いるためのレイアウトと演習がさすがだなと。

全盛期の宮崎駿さんもレイアウトに関してはとてつもなく美しいですが、それに負けず劣らない美しさです。さすがディズニー。


しかし。

今回観て気づいたのですがこの映画をディズニーにしては珍しくハッピーエンドではないのですね。

しかも原作が童話や寝物語ではなく実話というとても面白い背景のあるお話でした。


ポカホンタスもジョンスミスも実在する方なんですね。

調べたら肖像画まで残っていて驚きましたよ。


ヴァージニア開拓の物語なんですからあながちそんなこともなくはないだろうと思っていたら、まさか本当にあった話だとは。

どうやらこのポカホンタスには続編があるようですが、不評のようですね。

 

そりゃそうですよね。

事実に即したら、ポカホンタスはジョンスミスに会いにイギリスへ向かい妻になる。

この話で観た自然の美しさや強さはすべて消え去っていることでしょう。
現実とは常に幻想と隣同士では存在できないのですよ。

 

それにしてもポカホンタスの黒髪のたなびく滑らかさたるや。

髪ばかりみてしまうほど魅了されましたよ。


ジョンスミスの捕まった際のセリフも

『明日死んだっていい。100年先も君と会えないのなら』と、アイーダ並みにアツい。歯が浮きます。


小さい頃観たときこんなにラブストーリーだった記憶がありませんが。


とりあえずこの先しばらくはポカホンタスの劇中歌が頭から離れないことでしょう。

 

f:id:momusplay:20190319100744j:plain

インディアンであるポカホンタスがジョンに嫁いだ時の肖像画です。

 

戦争と言う脅威の中で生きるとはどう言うことなのかを知るー映画・本「永遠の0」感想

私はこの本がとても好きなんです。
この本の発売当時、私は本屋でバイトをしておりました。

レジで何冊もこの本を売っているうちに気になって買って一気読みしたのを覚えています。
読み終わってそりゃ売れるわと納得してしまいましたね。

 

 

けれど、実写映画になった際にキャストが発表されて主役が岡田准一さんと知ったときは「違う」と思ってしまいました。

松野も井上真央さん...少し違うしうーん。、という感じでした。

 


宮部さんはもっと背が高く恰幅のよい、四角い顔で薄顔のイメージでした。

真逆ですよ岡田さん。
けれど映画を観て十分宮部さんでしたね。

すごい。

ラストの特攻へ向かう芝居は迫力があって怖かったです。

 

死に様=生き様に通じてると言われていますが、それを真に表しているような作品でした。

 

宮部さんが家族のために生きる、強い生き方で妻の松野をそれをみてきた仲間や後輩はみんな気にして助けにいく。

そして血の繋がった孫に出会えたことを心から喜ぶ。

まだ残った方達の中の宮部さんは生きているんですよね。

そう思うと涙が止まらない映画となりました。

 

同時に、ゼロ戦という戦闘機に関しての知識も得れたのはとても良かったように思います。

同時期に宮崎駿監督の引退作品として「風立ちぬ」が公開されていました。

この映画は、零戦のデザイン、および設計した人間が主人公となっています。

 

主人公はより良いものを作ろうとしただけであるにも関わらず人殺しの道具になっていく愛しい

作品たち。

漫画「ワンピース」の中のフランキーが出てくるエピソードでも似たようなことが出てきたことがありますね。

 

「生きているだけで罪にはならない。生きて何をしたかで罪になる」

「生みの親くらい愛してやらなきゃこいつらが可哀想だ」

 

この「永遠の0」は、「風立ちぬ」での主人公が自分自身の思いとは違う形で羽ばたいていった作品たちのその後の姿を見ているような、意図せずリンクしている作品だなと感じます。

 

そいうった制作者と使い手の思いを見れる映画ではないでしょうか。

 

 

この映画のエンドロールに『In memory of』という欄にお二人の名前があるんですね。

これは作品に関わった方で亡くなられた人を偲ぶものですね。


お一人はこの映画を最後に亡くなられた俳優さんですね。

ご病気だったのかどうか分かりませんが年齢もいいお歳だったように思います。


ただもう一人はこの映画で美術部のスタッフをされていた方です。

芝生の除草中か、滑走路の採寸中か、どちらか分かりませんが飛行機の着陸ミスで事故で亡くなられました。

即死だったようです。

 


この話を知ったのは「海賊とよばれた男」の制作が決定されたときでした。

スタッフは永遠の0と海賊とよばれた男は一緒なので、この事故があったため海賊とよばれた男では飛行機は飛ばせないことになったそうです。


そりゃそうですよね。

その亡くなられた美術部の方はとてもよい人だったようで、いまだに映画の美術の世界の方達はその方を偲んで涙を流すことがあるそうな。


偶然でありますが、この亡くなられた方と映画の宮部さんがリンクしているようでいつこの映画を観ても胸が締め付けられる思いがします。


アカデミー賞取れたことは素晴らしいことですが、よかったのか複雑です。
ご冥福をお祈りします。まだまだ映画の美術の世界で彼は死んではおりません。

 

 

 

百田尚樹と言う作家は嫌いでも作品は嫌いになれないー映画「海賊と呼ばれた男」感想

久しぶりに映画を観てハラハラしました。
船の勢いが圧巻ですね。小綺麗なパイレーツオブカリビアンみたいなものかと思っていましたが少し違いました。

 

冒頭で60歳の國岡こと岡田准一さんが出てくるのですが、声も見た目も60歳にしかみえない。

これ、本当にすごいです。同年代の役者さんもたくさん出てきているのですが、その人たちと比べても貫禄が違うので圧倒的に歳上にみえるんですよね。
本当にすごいです。

人の年齢の判別の仕方は、喋るトーンと速さだと思っています。

そう言う点で、色々研究されたのでしょうかさすがです。

 

美術に関しても、どこまでがCGでどこまでが美術かまるで分からないところも本当にすごいと思うのです。
おそらく看板やら飛行機やらはCGっぽいですが街並みやら船は正直わかりません。


always三丁目の夕日や永遠のゼロとスタッフは同じなのでそこの加減もとてもよくにています。衣装も。
ここまで物語に引き込むのはもちろん役者さんの芝居ありきですが、美術の力もあると思います。
ただ、國岡商店は完全にセットでしょうね。あと、ラストの船と。いくつのセットを作ったのか想像もつきませんが。

 

映画美術の難しいところはこう言う時代物の中で歴然としてくると思っています。

 

実際の歴史のリアルと、イメージのもやの中でのすり合わせはとても難しい作業のように感じてしまうのです。

その当時にあったものは決して古く汚れている物ではなくても、当時のイメージだと汚れているものを置いたほうがしっくりきてしまうと言う映画的矛盾。

そこは映画スタッフの親方たちの力が大きいところなのでしょうね。


そしてストーリーとしては、今の出光の話がもとになっているようですね。

ウィキペディアをみるとほとんど映画のままなので結構しっかり映画なのではないかと。

最近もニュースなんかでは出光の提携するしないのような話を聞くので、地続きで歴史が繋がっているのを実感します。
ただ、原作は未読なのではっきりとは分かりませんがだいぶ省略されているのではないかとも感じますね。

 

私は百田尚樹さんがあまり好きではないですが、悔しいことに百田さんが書く小説は面白いなと思ってしまいます。

永遠の0も何度も読みました。映画も観ましたがやはり本の方が好きでした。

悔しいですね。

 

読者受けするポイントをよく理解して書かれている上に、まんまとその術中にはまっている感じが悔しいですね。
他にも深川監督や有川浩さんなんかの作品もあまり好きではないのに心動かされてしまい悔しい思いをするんですよ。


見ごたえとしては抜群の映画です。
ただストーリーとしてはあまりハマりませんでした。

 

まぁ、史実をもとにしたドキュメンタリーのようなものなのど波のない感じはどうしても仕方がないのでしょうが。
この手の、いい親方だろう!すごい人間だろう!と見せつけられるような作品は世の中にいくつもあるのでその点では、どこにでもある印象を受けるのです。

 

ただCGの技術と幅広い年齢を演じた岡田くんの演技力観たさであれば十分満足できる映画だと思います。
國岡はたしかに理想の上司像であるのは分かりますしね。

 

本当の恐怖は残されたものにこそ残るー映画「残穢」感想

私には、映画を観るときにこれさえ良ければいいというものが3つ存在します。

 

一つはストーリー。

これは完全に当たり前ですね。映画は2時間という時間を使って観客を魅了する娯楽です。ストーリーありきで存在していると言っても過言ではない。

伏線やどんでん返しがあって然るべき、と考える観客も多いのではないでしょうか。

自主映画を作る人間が、嫌という程目にするキャッチフレーズは、「面白い脚本から面白い映画も面白くない映画も生まれるが、面白くない脚本からは面白い映画は生まれない」と言うものです。

確かに、間違いなく根底の基本が面白く無いにも関わらず面白いものが生まれるはずありませんね。

このストーリーに関しては、脚本、突き詰めると原作本から面白いか否かが決まっているのでは無いかとも思います。

 

もう一つが映像美。これはいわゆるアート映画と呼ばれるものなのかもしれません

。しかし、ストーリーがまるで駄目でも映像がとても綺麗だからこそ、最後まで観てしまいなかなかよかったと思ってしまう映画は少なくありません。

アンドレタルコフスキーやファンタジー映画にそう言った映画が多いような気がします。

 

そして最後に、役者さん。

これは好きな役者さんが出てるから無条件でいい映画な気がする、と言うような完全に自己満足しかないような映画です。
その役者さんの顔が好きなのか、芝居が好きなのかで意味合いは変わってきますが。

その役者さんの変化や雰囲気が心地いいと感じる、観客と役者の相性は存在すると思っています。


そして番外編として、は監督が好きだから観る映画も私は存在します。

この残穢はまさにそう言う映画です。私は中村義洋さんの映画がとても好きです。


役者もストーリーも映像もそんなに言いかと聞かれれば普通なんですが監督が中村義洋監督だったのでよかったなと。

この方の映画が好きで、絶対に中村監督の作品は映画館で観に行きます。


最近だと『予告犯』ですかね。またいずれ書きますが、あの映画も本当に映画館で号泣するほどよかったです。
他にも、『フィッシュストーリー』『ゴールデンスランバー』『白雪姫殺人事件』などを撮られた監督です。


私はびびりで、ホラー映画が苦手なのでこの映画は悲しいことに映画館で観れなかったのです。

しかし、友達に頼んでやっと観ることができました。


感想としては、怖い。観たあとが怖い余韻です。

もう夢に出てきた上に眠れませんでした私はびびりなので。
それくらい後味が悪い。

 

原作が小野不由美さんなのでホラーの不気味さや怖さはお手のものなんですね。

しかも、中村監督も昔本当にあった怖い話?でしたか、ホラーをやられてる方なんですよ。そりゃ上手いわけです。


話としては、それで?というような話です。

呪怨のように土地関係なく伝播していく系にも見えます。

もう祟られるなら誰でもよいじゃないかと。


が、叫ばないんですよね主人公が。それがもっと不気味で怖い。

最後はホラー映画らしく派手な演出にしてましたが中盤がもうずっと怖くて、観終わったあとに疲れたのは久しぶりでした。

 

これ、本の方が創造力を刺激されて人によっては怖いかもしれませんね。

まぁ、映画独特の不気味さもありますが。


高校生の時にはまった小野不由美さんの『ゴーストハント』を思い出しました。

あれは本当に怖かったです。今ではもう内容を全然覚えてないのが救いです。