本当の恐怖は残されたものにこそ残るー映画「残穢」感想
私には、映画を観るときにこれさえ良ければいいというものが3つ存在します。
一つはストーリー。
これは完全に当たり前ですね。映画は2時間という時間を使って観客を魅了する娯楽です。ストーリーありきで存在していると言っても過言ではない。
伏線やどんでん返しがあって然るべき、と考える観客も多いのではないでしょうか。
自主映画を作る人間が、嫌という程目にするキャッチフレーズは、「面白い脚本から面白い映画も面白くない映画も生まれるが、面白くない脚本からは面白い映画は生まれない」と言うものです。
確かに、間違いなく根底の基本が面白く無いにも関わらず面白いものが生まれるはずありませんね。
このストーリーに関しては、脚本、突き詰めると原作本から面白いか否かが決まっているのでは無いかとも思います。
もう一つが映像美。これはいわゆるアート映画と呼ばれるものなのかもしれません
。しかし、ストーリーがまるで駄目でも映像がとても綺麗だからこそ、最後まで観てしまいなかなかよかったと思ってしまう映画は少なくありません。
アンドレイタルコフスキーやファンタジー映画にそう言った映画が多いような気がします。
そして最後に、役者さん。
これは好きな役者さんが出てるから無条件でいい映画な気がする、と言うような完全に自己満足しかないような映画です。
その役者さんの顔が好きなのか、芝居が好きなのかで意味合いは変わってきますが。
その役者さんの変化や雰囲気が心地いいと感じる、観客と役者の相性は存在すると思っています。
そして番外編として、は監督が好きだから観る映画も私は存在します。
この残穢はまさにそう言う映画です。私は中村義洋さんの映画がとても好きです。
役者もストーリーも映像もそんなに言いかと聞かれれば普通なんですが監督が中村義洋監督だったのでよかったなと。
この方の映画が好きで、絶対に中村監督の作品は映画館で観に行きます。
最近だと『予告犯』ですかね。またいずれ書きますが、あの映画も本当に映画館で号泣するほどよかったです。
他にも、『フィッシュストーリー』『ゴールデンスランバー』『白雪姫殺人事件』などを撮られた監督です。
私はびびりで、ホラー映画が苦手なのでこの映画は悲しいことに映画館で観れなかったのです。
しかし、友達に頼んでやっと観ることができました。
感想としては、怖い。観たあとが怖い余韻です。
もう夢に出てきた上に眠れませんでした私はびびりなので。
それくらい後味が悪い。
原作が小野不由美さんなのでホラーの不気味さや怖さはお手のものなんですね。
しかも、中村監督も昔本当にあった怖い話?でしたか、ホラーをやられてる方なんですよ。そりゃ上手いわけです。
話としては、それで?というような話です。
呪怨のように土地関係なく伝播していく系にも見えます。
もう祟られるなら誰でもよいじゃないかと。
が、叫ばないんですよね主人公が。それがもっと不気味で怖い。
最後はホラー映画らしく派手な演出にしてましたが中盤がもうずっと怖くて、観終わったあとに疲れたのは久しぶりでした。
これ、本の方が創造力を刺激されて人によっては怖いかもしれませんね。
まぁ、映画独特の不気味さもありますが。
高校生の時にはまった小野不由美さんの『ゴーストハント』を思い出しました。
あれは本当に怖かったです。今ではもう内容を全然覚えてないのが救いです。