無知を思い知らせれるー映画「グリーンブック」感想
ずっと気になっていた映画をやっと観れました。
知らない間にアカデミー賞も受賞していて観る前から少しウキウキです。
まず「グリーンブック」とは何かについて映画を観る前に知っておいたほうがいいですね。
グリーンブックとは黒人旅行者のためのガイドブック本のことです。
なぜグリーンなのかといえは、グリーンさんと言う方が書いたからですね。
グリーンさんが書いた黒人旅行者のためのガイドブック、それをグリーンブックとよんだそうです。
この本には黒人の方でも泊まれるホテルやレストランなどが書かれているようですね。アメリカの人種隔離背作時代のものです。
正直、私はアメリカにほとんど興味がない上にアメリカ映画をほどんど観ることがありませんでした。もちろん有名なのは観るのですが。
なのでこういったアメリカの文化や歴史を内包した映画を観た時の衝撃はいつも新鮮で己の無知を自覚します。
興味がない、ではいけない問題が世界にはたくさんあるのだと。
この映画は白人ドライバーが上流階級の黒人とお互いに理解し合う話ですね。
私はこの映画を観るまで、グリーンブックの存在も知らなければ黒人差別と言う単語の本当の意味を理解していなかったように思います。
アメリカの北部よりも南部の方が差別が厳しいと言うことも、当たり前の中にある違和感にも気づきことはなかったでしょう。
映画の中では、白人と黒人と言う区別の他に、労働者階級と富裕者との区別も描かれています。それがこの映画の脚本のうまいところですね。
事実だけを淡々と物語にしたのでは決して描けない苦悩も描かれているのです。
言葉で語るよりも映像で見せたほうが説得力が出るのが映画のいいところでもあります。
そういった見せ方がこの映画はとても上手い。
黒人差別に切り込んだ映画だからこその受賞ではなく、人間を描くと言う点での脚本力が秀逸なのです。
そしてこれは、当時だからこその話ではなく今尚あるであろうと言うことが問題ですね。
私が映画というスクリーンを通して観ていても、私だって一歩海外に行けばアジア人として差別されるべき対象なのです。人ごとではありません。
この白人ドライバーもイタリアからの移民でしょうか。
どうやら映画には本物の家族が出ていたそうですが、イタリアも北と南でだいぶ人の性質が変わるそうですね。
南北、東西の違いは日本でもあるように世界中であるものなのかもしれませんね。
ですが、このイタリア家族の「何事も全力」の精神は本当に素晴らしいなと思いました。「笑うときも食べるときも怒るときも、全力でやる」
これはなかなか日本人には真似するのは難しいかもしれませんが、そうあればいいなと思わなくもないです。
この映画の一番ホッとするシーンはやはり一番最後なのです。
この二人の友情がこの先も続いていくというのなら、どんなことも不可能はないのだと思ってしまいますね。