残った印象は圧倒的美術の美しさのみー映画「グランドブダペストホテル」感想
予告でみて思っていた映画と全然違いました。
コメディ風ミステリーとなっていたのでゆったりとした気持ちでみれると思いきや、意外と残酷です。
この残酷さ、グロさ、というものをコメディ風にしているというのは否定しません。
人間のドロドロした部分をあえて薄めるために装飾や美術にあそこまで力をいれている感じなんてすかね。
監督の好みなんかもありそうですが、如何せんどのシーンも目はお腹いっぱいになるんです。
美術的な華やかさの影に隠された、ストーリーの脆弱さが際立ったように見えたのは私だけでしょうか?
しかし、ウェス・アンダーソン監督といえば脚本家でもありますね。
そこの物語の引っ張りの力は大いにあったのではないかとも思います。うーん。
雪の風景にもなじむように薄いピンクが基調とされていますね。
そこもまぁ、美しくもあるのですが如何せん話が重い。
しかも観終わったあとに何一つ残らないんですよね。
ハッピーエンドかと言われればそんな気もしますが、そうではないのか聞かれるときっとそうでもないんです。
誰視点とするかで見方は大きく変わってくるでしょうね。
この映画のテーマは絆なんですか?
ウェス・アンダーソンの毒は嫌いではないです。
しかし今回は私にはあいませんでした。
「ダージリン急行」や「ムーンライズ・キングダム」は結構好きだったのですが…
それにしても、最後の小説家の銅像のシーンは要るのか要らないのかよく分からないまま流してしまったのですがあそこは少ししか写らないのにセットお金かかっていますね。
もちろん他のシーンもですが。
ところどころ特撮のような技術で描いていてそれはそれで面白かったりしましたね。