映画ゴト。私ゴト。

映画人だからこその独りゴト。

JKローリングは児童文学の母と呼んでもいいと思うー映画「ファンタスティックビースト〜魔法使いの旅〜」感想

JKローリングさんはハリーポッターもそうですが、不遇な環境下にある子どもの闇を描くことが、とても上手な方。

 

ハリーポッターは両親もおらず、親戚の家で虐められながら育つ姿を描きシリーズ後半ではスネイプ先生の境遇に共感し自分と父は違うのだということに気づくシーンがありました。

 

このファンタビの中でも義理の親から虐待を受けている子どもが出てきます。

そして、ニュートのトランクの中にも子どもが力を抑圧された際に生まれる黒い生命体が出てきます。

 

その生命体の話が映画内で出てきたとき、JKローリングさんはなんて子どもの闇を、子どもの心が生み出す力強さを分かっているのだろうかと驚きました。

 

きっとJKローリングさん自身がお子さんを持ったお母さんだからなのでしょうね。

そして、イギリスという社会の中で抑圧を受けた一人だからこその作品なのではないかと感じました。

 

何お資料で読んだのか忘れてしまいましたが、昔ハリーポッターシリーズが流行し始めた頃、イギリスには未だに女性に対する偏見や差別的な感情が強かったといいます。

なので、JKローリングさんも作品を出すときは女性の名前で出すと売れないために男性の名前で本を出していたこともあるそうな。

 

イギリス人に、日本の古典にあたる枕草子源氏物語の作者が女性であるというというと驚かれるのはきっとそういうことが背景にあるのでしょう。

日本では女性が堂々と名前を出して作品を作っている。そしてその作品がちゃんと売れている。

 

それは日本のきっと良い面なのでしょうね。

 

作品の話に戻りますが、今回の作品の登場人物もニュート・スキャマンダーという男性です。

ハリー・ポッターの時と同様、作者が女性であるのに対し主人公は男性です。

 

ジブリ宮崎駿監督もそうですが、自分とは異なる性別の主人公の方が物語を紡いでいきやすいのでしょうか。

宮崎監督も「風立ちぬ」を作った際に男性を主人公にしてしまうとどうしても自分を投影してしまって恥ずかしいみたいなことをいっていましたね。

 

あるいは、JKローリングさんの場合は息子さんに投影をして話を描いているのかもしれません。

 

今回の作品を私は、2Dと4DXと2回観ました。

2Dの方は物語に集中できた感じがします。

 

しかし、4DXは完全にアトラクションなので落ち着かないうえに酔ってしまうんです。

なので酔いいやすい方にはおすすめはしません。

 

けれど後半は、これは物語としてというよりも見応え重視の演出だな、というくらい迫力があります。

そこはIMAXか4DXならではの見応えなのではないでしょか。

 

正直、一回ではラブストーリーに、魔法動物のかわいさに、アクションに、ミステリーに物語の要素が多いので忙しくて追いつけない部分もあるかと思います。

なのでお好きな方は、可能なら2度以上観に行くのがよいのではないかと思ったりもします。

 

 エディ・レッドメインエズラ・ミラー好きもきっと満足するはずです。

あと、1920年代の衣装が好きな方にもおすすめですね。